日本人にとってなかなか接する機会のないロシア人というものを知ることができて面白いです。私自身、どちらかと言うと最初にロシア人に抱いていたのは「共産主義下で抑圧され、寒い気候に暮らす無表情な暗い人々」というイメージ、やがて「貧しい国からお金のために外国へ出る粗野な人々」という印象になったのですが、実際はあの大地のように大らかな人たちみたいですね。軽い口調で読みやすく、そういう側面を知ることができたのはとてもよかったです。
ただ、軽い口調故に、読者受けを狙って若干媚びているような印象がしたのは残念かな。あと、先に著者の受賞作品である「嘘つきアーニャ・・・」を読んでそのドラマティックさに打ちのめされただけに、この本は不運なハンデを抱えてしまいました。厳密には、3.5点です。