サスペンスものでした。文章は淡々としていて、可もなく不可もなし。最初の頃は視点がころころ変わって若干読みづらくもありましたが、刑事と犯人の視点が交互に描かれるようになり、物語が加速していくうちに、のめり込んでいきました。連続女児誘拐事件とリンクして、犯人が新興宗教にはまり非日常に引きずり込まれていくその様子が、淡々としているのにリアルです。
犯人を推理しながら読みましたが、作者のさりげなく貼った伏線に見事にやられ、最後の種明かしで「やられた」と思いました。サスペンスではよくあることですが、けして後味のよい終わり方ではありませんので、その辺が苦手な人にはオススメ出来ません。種明かしにうならされたので、星四つで。