第6巻は、旅順が陥落して一段落つき、最終段階へと向かうお膳立ての一休みといった感じの内容です。
バルチック艦隊は結局、マダカスカルのノシベというところに2ヶ月も停留した後、インド洋を海岸沿いではなく真っ只中ルートで航海します。洋上でのトラブルシュート、石炭補充作業等、相変わらずの難儀な状態で、船員は疲弊し、士気も著しく低下した状態で日本へと向かっていきます。
また『血の日曜日事件』をきっかけに後のロシア革命へと向かっていくなか、ロシアはこの事件が起こった1905年の9月に日露戦争に敗れることになりますが、この反体制運動が高まる中で、明石という一人の軍人が諜報活動をして大いにこの革命へと向かう機運を大きな流れにまとめあげることに成功し、日露戦争勝利に向け裏側から内部崩壊させることにより活躍していた人がいたということが印象的でした。