忙しくなって中断していましたが、1カ月ほど前から時間をみつけてはまた読み進めています。すでに全8巻購入済みでもう少しで6巻完読といったところです。長編は久々ですが、ここまで進んでくるともう完全に日露戦争が作者の観点で詳細に描かれた小説とわかりちょっと辟易するところもありますが、戦国物はよく読んでそれなりに詳しいのですが、幕末以降の近代のものはあまり読んだことがなく知らなかったことも多いので8巻完読までがんばって読みます。
4巻になると小説の書きようも秋山兄弟目線ではなくなり、完全に日露戦争小説といった感じです。
黄海会戦、遼陽会戦、旅順の攻防といった流れで描かれていきます。
乃木大将(将軍)、203高地といったヘアスタイル名にもなった地名は知っていましたが、203高地は旅順攻略、旅順要塞の弱点をつける攻撃拠点として格好の場所だったんですね。
一番そうだったのかと思ったのは有名な乃木大将(伊地知というつけられた参謀が全然ダメ)が無策、無能なため203高地、旅順の攻防で無益に戦死者を増やす結果となったということです。作者の乃木嫌いというのもあるそうなのですが・・・。乃木大将はルックスは良く人格者であるというふうには描かれていますが、作戦家としてはまるでダメだったと・・・。
また、最後のほうには日本海海戦へとつながるバルチック艦隊の出航当初が描かれています。バルチックというのはバルト海ということなのですね。ロシアの構想は太平洋艦隊が健在であることが前提で、バルチック艦隊部隊を増強、戦力的に圧倒的有利を築いた上で日本海軍を撃破することだったのですが、先に太平洋艦隊の方が日本海軍によって撃破され、予定が大いに狂い、結局はバルチック艦隊単独で日本艦隊と海戦することとなり破れてしまいます。
また、当然ながらバルト海からこんな大艦隊が喜望峰周りで大航海の上、日本海までやってきたのであるとお恥ずかしながら今さらながら知りました。
そのバルチック艦隊が途中、太平洋艦隊が沈められたのにもかかわらず、引き返さずに日本海軍と戦うべくやってきたこと、バルチック艦隊の様子も乃木・伊地知コンビ以上に間抜け、無能であったことが続く5、6巻でも描かれています。