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5 2009-12-05

翻訳者として名前がある杉田玄白は実は和蘭語を殆ど知らない、という点が驚き。実際の翻訳作業をしたのは、「解体新書」に名前が載っていない前野良沢。だけど杉田玄白が翻訳者の肩書きを詐称しているわけではない。翻訳作業をチームで行っていて、「解体新書」をプロデュースしたのは、杉田玄白なんだろうな。彼のチームをまとめる努力と出版に関する注意や熱意が無ければ日の目を見なかっただろう。
それはそうと、前野良沢が何が書いてあるかさっぱりわからない「ターヘル・アナトミア」を前にして「皆目見当もつきませぬ」とつぶやき、杉田玄白が「櫓も舵もない船で大海に乗り出すようなもの」、という状態から、パズルを解くようにして一語の意味を解き、解らないところに印をつけて後から振り返る、といった作業を行い、翻訳事業を推進する。後に杉田玄白が「蘭学事始」に蘭学の黎明期を記録に残す為に記した当時の学者達の熱気が伝わってきて興味深い。当時と比べ、格段に外国語マスターの手段が発達した現代であって外国語に対する挫折を味わう私を含む現代人に活を入れる必要があろう。熱意を持って、根気良く続ければ成されぬものはない、という見本である。
それにしても、興味深いのは二人とも長生きをし、その老後は対極的であり、「解体新書」の翻訳書としての未完成度から翻訳者として名前を載せず、学者として弟子をとらなかった、ある意味で学者バカの線を行った前野良沢は、貧しくも、和蘭語の本を訳出する事に生涯をかける。対して、杉田玄白は前野良沢に対する引け目を持ちながらも、多くの家族や弟子に囲まれ、名誉と富に恵まれた老後を過ごす。作者があとがきで書いている様に、「二百年前に生きた二人の生き方が、現代に生きる人間の二典型にも思え」、どちらがいいとか悪いとか、得だとか損だとかいう問題ではなく、そのような極端な人物像が面白い。
この度、この小説に関心を持ったのは、大黒屋光太夫の帰国した後にその体験を記録した「北槎聞略」の著者である桂川甫周や、大槻玄沢を中心とした文化人の集まりというかサロンがあることを知り、当時の蘭学者というものに関心を持ったからであるが、なかなか個性的で人間味あふれる人物が多い事に驚いた。江戸時代というのは、平和で貧しく、排外的な時代ではあるのだが、そういった中で意欲的に外国の知識を吸収しようとした当時の文化人にますます興味を持った。
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  • ナーザさん
  • ナーザさん
    30代 男性 購入者 レビュー投稿 98
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3 2010-12-29

前野良沢にスポットを当てた物語。
前野良沢も杉田玄白も歴史の教科書に載っていたので、両方とも有名人物だと思っていました。杉田の方が有名であるということを知りませんでした。
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