2017年4月19日読了
箴言的随筆みたいなの。普通。
あんまり憶えていない。「思索」「著者と文体」「読書について」の三篇。なんだが、三部作と言う感じ。
憶えてないけど、なんか、「読書は素晴らしいみたいに言われているけど、別にそんなすごいものでもないよ」みたいなことが書かれていたような気がする。もしかしたら、全然違うかもしれない。
パラパラ読み返してみると、出版界の腐敗的なことが書かれている。今でいえば、インターネットのまとめサイトのせいで世の中が変になっている的なの。
ページを折っているところが数か所あったので引用する。
「報酬と著作権侵害禁止の二つは文学を破滅させる基である」
報酬はいいとして、著作権侵害禁止の一部の考え方は本当に文学とかを破滅させると思う。今でも当てはまる。
「けれども一般読者の素材に向ける関心は、形式に向ける感心よりもはるかに強く、彼らの教養の発達がおくれるのも実はそのためである。もっとも滑稽なのは、詩人の作品に接しながらこのような傾向を明らさまに示すことで、作品を生み出すきっかけとなった実際の出来事や、詩人の私的環境を探り、さらにすすんでついには作品そのものよりも、そういうことにより強い興味を見せ、ゲーテの作品ではなくむしろゲーテについてそういう類のことを記した文献を通読し、作品『ファウスト』よりもファウスト伝説の方に熱をいれて研究するというのがもっぱら彼らの仕事になるのである」
今でも当てはまる。
「我々は書物の購入と、その内容の獲得とを混同している」