文庫: 339ページ
出版社: 岩波書店 (1982/01)
ISBN-10: 4003315812
ISBN-13: 978-4003315811
発売日: 1982/01
戦前に発売され、今もなお高校に入学する際の必読書に指定する高校も存在するそうで、そのことからも、この本が廃れることなくいかに多くの人に読まれ続けてきたのかを窺い知ることができる。文章が少々古めかしいが、著者が読書に何を言わんとしているのかは痛いほど伝わるので、途中で読書を中断して人生について熟考する時間を私に与えた。よって読了に2日の時間を要した。良書中の良書であることを肌で感じた稀有な一冊である。主人公のコペル君は、世界は自分を中心に回っているのではないことを発見し、あらゆる製品がこの世に生をうけるまでにどれほど多くの人が関わってきたかに思いをめぐらせ、嘘をつくと自分が駄目になるから正直に生きることが大切であることを、実体験とおじさんの適切なアドバイスから学んだ。本書を中学を卒業した生徒全員に贈るが、人生の羅針盤になる1冊になるであろう。