家族で観るエンターテイメント作品ではなく、どちらかと言えばコアなアニメ作品として客観的に鑑賞すべきSFサイバーサスペンス。全巻を通して暗めの色調が漂っているが、そのことが次元を離れた世界観を醸し出している。作画面では微妙な色調階が塗り分けられ、観る者の色彩創造感覚をインスパイアーする。「内容が難解」との指摘もあるが、こだわりの絵造りは完成度も高く大人の鑑賞にも十分に応えている。CSで放送されていたのを見て全巻揃えたくなって購入。1998年の文化庁メディア芸術アニメーション部門優秀作受賞作品の『Serial Experiments Lain』や2002年の優秀賞受賞作品・日本のメディア芸術100選中第7位ランキングの『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』と類似列上にある評価されるべき秀作。色彩クリエーターとしての目で鑑賞すると一層興味深い。