そう云えば秋は、芽の出ていない、祖国を産地とする馬鈴薯が安値で手に入る季節なので、秋冬は蝦夷地本国産北あかりを主食とする習慣であったな、と思い出し、10月上旬に購入。
20kg程で2999円と、検索した時点で最安値の此処で購入した。
毎年の事であるが、美味い。私の調理法は、シリコンスチーマに土の付着したままの馬鈴薯を5個入れて、少量の水を掛け、その水で適当に土を洗い落とし、そのまま蓋をして電子レンジで12分加熱し、芋を丼に移して、シリコンスチーマの底に残った泥水を窓から中庭に棄てる、と云う横着な方法だが、これでも十分に土は落ちてくれて、美味い(共同炊事場が結構遠いのでこうなった)。
定番の食べ方は、やはり電子レンジで調理した半熟茹卵(3個ずつ蒸せる電子レンジ専用の卵蒸し器が有る)と、キャベツと人参を雑に線切りして塩で揉んで漬物バケツで漬け乳酸発酵させたクヴァーシェナヤ・カプースタと、オリブ油とをぐちゃぐちゃ混ぜたポテトサラダである。これに電子レンジ加熱した冷凍肉とか冷凍魚切り身とか野菜とかも、適当に混ぜて喰うと、健康的な食生活の基盤が怠惰に確保出来ると云う寸法である。
このクヴァーシェナヤ(乳酸発酵的に酸っぱい)・カプースタ(キャベツ)であるが、これをベースに定塩鮭とか塩鯖とかを刻んでぶち込むと、発酵の具合によっては正月っぽい鰊漬けみたいな味の発酵食品が錬成されたり、塩辛そっくりの味の発酵食品が錬成されたりして、正式な手順を知らないにも関わらず知っている故郷の食品にそっくりな食品がオルタナティブな方法で錬成される発見が有り、故郷を失った文化の根無し草と云うホームシック的な感覚を抱える者にとっては中々の慰みとなってくれている。そしてこれらは馬鈴薯と実に良く合うのだ。