何度も飲んだことのある銘柄です。同じアイラウイスキーのラフロイグと比べたくなるところですが、敢えてそれをせずに向かい合います。改めて向かい合ってみると思っていたより塩っぽい。ピートの香りが立ち、スモーク臭もやや強い。
とは言え、ウイスキー初心者の多い今の日本人にも受け入れやすい、比較的飲みやすいウイスキーであると思います。逆に言えば個性が少し乏しい印象です。複雑さが足りないように感じるのです。同じお金を使うのなら、もっと個性的な酒を飲みたいという、自分の貧乏根性が恥ずかしい。
万人向けということは、製造者が消費者に妥協している点があるように思います。もちろんボウモアはバリエーションが豊富で、お金さえ出せばさまざまな体験ができるのでしょうが、多くの人はウイスキーに費やす金額には、おのずと制約があるのが現実です。手に入れやすい価格帯にこそそのメーカーの個性を発揮しなければならないのではないでしょうか。
味に加え、価格等を総合的に勘案して星4つとします。この価格でもっとおいしいウイスキーが生み出せると信じています。