キムチとワインの相性に悩んでいた雫たち。
『マリアージュというものの意味をもう一度、基礎の基礎から考え直してみてはいかがですか』
遠峰のアドバイスもあり、キムチに合うのはスパークリングかもしれないと雫は考えた。
ロワール地方のノン・ヴィンテージのクレマンを飲んでみたがしっくりこない。
『こっちはどうだろう』と飲んだのがこのモンムソーNVクレマン・ド・ロワール。
『これはもっと評判のいいクレマンです。何でもどこかの航空会社のファーストクラスで使われてるとか』
『うん こいつはいい!
泡が優しいのにじわりとした刺激がいつまでも残る』
『長く余韻を引くシルキーでいい泡だな。こいつも安いんだろ?』
『ええ日本で飲んだときは千円台でした』
『そいつはお買い得だ』
神の雫(13)巻
第121話 「立ち昇る気泡の向こう側に」 より
このモンムソーのクレマン・ド・ロワールは1,000円前半で買える値段でありながらシャンパーニュと同じ製法の本格派スパークリングで、ANA国際線ビジネスクラス(上級はファーストクラス)で採用されたことでも有名になりました。
ヴァンムスー(発泡ワイン)は気圧により分かれており、シャンパーニュと同じ5~6気圧のものをヴァン・ムスー、ややソフトな発泡(3~5気圧)になるクレマン、微発泡(約2気圧)のペティヤンの三段階。
クレマン・ド・ロワールはこの中のややソフトな発泡のクレマン。泡の繊細さではやはりシャンパーニュにはかなわないですが、この値段でこのポテンシャルは素晴らしいですね。