ケースやクラスプはヘアライン加工を基調としつつもエッジはポリッシュ仕上げとなっており、また文字盤と回転ベゼルはサンレイ仕上げとなかなかの高級感があります。ダイヤシールド加工の効果も素晴らしく、日常生活で使用する程度では全く傷がつきません。オリジナルの復刻モデルSBEX009(以下「復刻モデル」という。)に比べるとケースと風防が薄くなっており腕にフィットします。5分毎に文字盤にある四角いインデックスは、復刻モデルの場合(手間のかかるエンボス加工のためかも知れませんが)角が丸みを帯びており、夜光塗料の色も(あえてクラシック感を演出するためかも知れませんが)アイボリーになっています。些細な点かも知れませんが、このモデルのインデックスは、角がシャープな直角で構築されおり、また夜光塗料の色も純白で盛り上がる程たっぷりと塗布されています。ムーブメントの持続時間については、70時間ものパワーリザーブを有しており、復刻モデルの55時間を遥かに上回っています。ムーブメントの精度については、復刻モデルはハイビートですので驚くに値しませんが、復刻モデルとこのモデルの両者とも、2日でプラス1秒程度と機械式腕時計としては極めて優秀な状態を持続しています。腕時計に対して「絶対に1秒たりともズレては困る!」という特殊な職業やポリシーをお持ちの方以外は何ら問題無く御使用いただけると思います。総合的には、他のブランドには無いセイコーらしいオリジナルデザインが、文字通り現代版モデルとして洗練されており、また価格については(ハイビートの復刻モデルの価格が715,000円だったことを考えると、何とも複雑な心境に陥ってしまいますが・・・)極めてお買い得感の高い素晴らしいモデルであると言えます。このモデルに興味がある方は迷うことなく購入することを強くお勧め致します。そしてこの価格でこれだけの品質の時計をリリースしてくださったセイコーに感謝致します。なお、腕回りプラス1センチで注文するようショップのアドバイスがありますが、アドバイス通りにすることお勧め致します。ショップでは当然のことながらクラスプの一番外側の穴に合わせた状態で発送します。届いてから緩いと感じた場合にはクラスプに並んでいる穴にピン状の物を差し込んで自分で微調整が可能です。が、キツい場合には駒の追加が必要になり普通の人には作業が難しいと思います。