Over Forties Enjoy Life!

　バブル崩壊前の８０年代末期に会社に勤め始めた。当時はまだ機会均等法施行からあまり経っていないころで、大卒女をマジで普通に働かそうという会社や業種自体が少なかった。報道関係の会社に入社したのは、仕事自体にも関心もなくはなかったけど、「女でも普通に使ってくれそう」という消去法的な選択が大きかった。
　２０代後半から３５ぐらいまでは、結婚で会社辞めた友だちに「バリバリ働いていてうらやましい」と言われ、３０代後半になると世間から「負け組」と揶揄されるようになった。
　前者のように言われていたころは、「そんなにカッコいいもんじゃないけどな」「働き続けるってのも大変なんだよ」「バリバリって何？」ぐらいに思っていた私だが、同じ人間がその延長線上にいるのに、時が移って社会環境が変われば後者のようにネガティブにとらえられることに、日本社会の恐ろしさを感じた。
　でも、私は全然変わらない。人からも「変わらないね」とよく言われる。若いころはそのように感じたり言われたりすると、「成長がないってことかな…」と、反省してみたりしたが、今は、２０年以上も社会にもまれていて変わらないのは、それなりにエライことなのではないか、と自惚れてみたりする。変わらなくていいんだと思っているし、確信犯やれるにまで成長したのだと思っている。
　「坊ちゃん」がほとんど等身大の私だ。文庫版の解説を書いた江藤淳は、坊ちゃん（あるいは漱石）的江戸ッ子（と言っても「坊ちゃん」は町人じゃなくて元旗本の家だそうだが）が分かっとらん。だから自殺なんかするんである。坊ちゃんの世界には勝ちも負けもない。正しい（と思った）ことをしながら、結果は考えずにただただ突っ走るのが正しいのだ。
　まあ坊ちゃんはフィクションだからちょっと誇張されてはいるが、この姿勢でおれば自殺なんかするはずはない。漱石さんも「東大勤めは大嫌いだが、子供が大勢いるから、次の仕事が見つかるまでは岩にしがみついてもここで勤めてやろうと思っていた」と、朝日新聞で職を得た後に振り返っているが、「やるべきことをやっておればいいのだ」という考えを貫いておれば、逆にこういう態度を無理なくとれるようになる。世間の目なんてヘみたいなもんだ。
　インドの古代思想や原始仏教なんかにも通じる考え方だと思うが、私は仏様ではなく、興福寺の阿修羅様のような立派な阿修羅様を目指そうと思う。阿修羅道邁進である。
　坊ちゃん（漱石）や阿修羅様と並んで敬意や親近感を持ちまくるのは勝海舟様でなのだが、この方についてはおいおい述べたいと思ふ。
　そういう訳で、Ｏｖｅｒ　Ｆｏｒｔｙだろうと、人から何と言われよう、明日に向かって突っ走ろう！人生は楽しい！