今や懐かしの存在、VF-1。「マクロス」TV第一話での変形シーンは衝撃的だった。このムックは“バルキリーが実在する”というコンセプトに立脚して作られている。しかも、バルキリー最大のウリである「バトロイド」ではなく「ファイター」に焦点が当てられているのが目新しい。「ファイター」中心で、所謂“戦闘機名鑑”風の構成で作られているので「マクロス」のキャラに全くと言って良いほど触れられていない。従来のアニメムックの感覚で購入すると肩透かしを喰らうので要、注意。更に、今は亡き月刊OUTの増刊号のマクロスムックでは本書とは全く異なるVFー1開発史が記載されていて、そちらの方が内容としては良かった。他にもマクロスの模型改造ムックにもVFー1開発秘話が記載されていて、内容も本書のVFー1開発史よりもインパクトが有った。但し、『マクロス・ゼロ』が発表され、本書は『~ゼロ』を正史としているので、前述のムックのVFー1開発秘話は全て否定される事に為ったのが残念。もっとも、『ゼロ』のストーリーと、TV第一作で描かれたVFー1開発秘話が完全に矛盾しているので仕方がないと言えば仕方がないのかもしれない。『ゼロ』は映画版『愛・おぼえていますか』を正史と位置付けているならば、ビフォア・ストーリーとしては正しくなる。