かよエールさんのトラベルレビュー

巨大な高級旅館もいいけど、あさひやさんのような宿に泊まらないと体験できない幸せがあります。
おそらく昭和26年のあつみ大火で宿は焼失し、その後に建てられたであろう木造3階建てのレトロな趣、宿の中のシーンと澄んだ空気。古くても掃除の行き届いた清潔な館内。そして何より、女将さんの誠心誠意のおもてなしが素晴らしかったです。
温泉は、源泉かけ流しの、熱いんだけれど、何故かずっと入っていたい、そんないいお風呂でした。風呂場も巨大旅館みたいに3つも4つもないし、露天風呂だってないし、旅館の名前の入ったタオル袋だってない。でもそんなものなくったっていいんです。
お料理も、「食べきられたら負けと思ってるでしょ」と言いたくなる様な、「これでもか」なものでなく、温かい、出来立て焼き立ての優しいお料理をタイミング良く運んでくれて、これが全部それぞれ素材を生かした絶妙な味付けで、本当においしい。
帰る時には、女将さんがバス停まで送って下さり、父が座れるようにと、ベンチをキレイに拭いて下さいました。ホントに申し訳なくなるほどの心遣いをいただきました。でもなんだかとっても親しみを感じるお人柄で、「お世話になりました」でなく、つい「またね」と言ってしまった私でした。