気が付けば相当年配の部類に入ってしまっている私にとって若い頃の憧れの時計でした。自分の意志だけで自由に、しかもかつてと同じ日本製を、この手軽な価格で購入できるようになったことに、当時の思い出もかさなるせいかとても感慨深いものがあります。
SEIKO5は大変完成度の高い熟成した時計だと思います。
小振りな38mm径は小柄な私の腕にとても自然に馴染む大きさです。(ちなみに私はステンレスベルトが肌に馴染まない人なので今回も速やかに黒の革ベルトに交換して使っています)
文字盤はもう少しだけ明るめのブルーとして記憶に止めらていたのですが、実際は光の加減しだいでは殆ど黒にも見えるネイビーです。好みはあるでしょうがこの色の仕上げは上品で引き締まった佇まいがあるのも確かです。
リューズはやや出っ張りが少ないタイプなので時刻合わせの時など私がもう一つ持っている5に比べ少々引き出し難い感がありましたがこれは慣れだけの話のようです。
何より私には、クオーツ時計のきっかり1秒単位の「カチッ!、カチッ!!(それはそれで良いのですが)」ではなく、繊細な「チッチッチ..」という秒針の動きや、土曜は青、日曜は赤の曜日表示など、その優しさに本当に癒される時計です。