もともと私は整理整頓が非常に苦手でして、実家もそうですが、以前はモノがあふれる家で暮らしていました。
ちょうど私のようなアラフォー世代は小学生の頃はプチバブルを経験しているので遊びに行った友達の家はモノであふれかえっていたのを思い出します。私にはないモノを持っている友達を羨ましく思ったこともありますし、モノがあるのが幸せなんだと私たちの親の世代、祖父母の世代は思っていたように思いますし、そういう影響を受けて育ってしまったようにも思われます。
モノに囲まれても、整理整頓ができずに収納を買ってはまたモノを増やしていく生活では心もどんどん荒んでいくし、モノが多いということは実を言うと視覚的にも精神的にもノイズなんですよね。
作者のゆるりまいさんは三世代同居でものが溢れていた汚部屋出身。自宅は人が招けないような状態で育ち、結婚を機に物に埋もれた実家を脱出できると思った矢先に東日本大震災にあったそうです。
その際に自宅を占領していたご先祖様時代のモノ、タンスや食器などがなぎ倒しになり、凶器となって家族に襲いかかったことから、その後は家族を守るために安全な家の環境を整えようと考えたのですが、若い頃モノに囲まれて生活してきたことへの反動もあり「捨て」を通り越して家族を巻き込んでの「捨て変態」街道を進んでしまうという過程が面白可笑しく書かれているマンガです。家族や周りをどう説得していくかという過程や、モノが少なくなっていくにつれて家族の関係や祖母の認知症も軽減されていくというエピソードも素敵です。
モノがないと掃除が楽だし、がらーんとした空間に憧れるわ!ということで、ミーハーな私はすぐにこの本に飛びつき次の日から激しくモノを捨て始めるという暴挙に出ました…。モノを持つということの概念が劇的に変わる一冊であります。
この後また新たな本との出会いと、引っ越しを機にミニマリスト生活に傾倒していく私ですが、こちらの本はミニマリスト入門編としては分かりやすく面白く学べる?(笑)一冊なので紹介させてもらいました。できれば町の図書館にも置いてもらいたいです…。