まず、このような形をした盃はなかなか見つかりません。
金沢で九谷焼店で探していたら、店の人も非常に少ない、と
言っていました。
当店店主も「少ない」と。
ですから、出会った時が買い時というような品物だと思いました。
全体の感じは、とてもシャープです。
それは薄いということもありますが、
盃の開きがほぼ直線であることによります。
商品説明の写真では良く分かりませんので、販売店による写真アップを望みます。
シャープな感覚は人によって好みが分かれる点かもしれません。
手に持った感じは、いい感じです。
親指と人指し指で上下の縁を支え、薬指がちょうど足に添えられるのがいいですね。
小さめの高足盃の場合には、中指と薬指で足をはさむようですが、この盃の場合は
指をゆったり広げるようにして持つことができる点が良いです。
飲み心地は、
1 大きくて平たいので、酒が口の中へ平たく入ってきます。
2 ですから、酒が舌の全体に薄くのびてくれます。
3 その酒が、上あごのほうに回って、酒の香りが広がります。
4 味と香りの良さは、ぐい飲みとか普通の猪口に戻れません
この盃の特徴は、唇にあたる部分がとても薄いためか、
酒がシャープに感じられます。
すっきりした味わいの日本酒が似合いそうです。
非常に薄くて、蛍光灯にかざすと確かに透けるほどですが、
焼きがしっかりしていますので、「壊れそう」という心配はなさそうです。
(酔い過ぎて、落としてしまっても畳だったら大丈夫かも?
こわくて試せませんが。テーブルの上や床に落としたくはありませんね。)
白磁ですから、酒の色が良く分かります。
彩色ものも持っているのですが、シンプルな白地に点描の渦模様もすっきり
していいですね。使い分けできそうです。
最後に値段とのバランス。
いい線いっていると思います。