40年くらい前の話です。そのころ2人は極貧、駆け出しのアニメーターで。いつも夢だけでお腹をいっぱいにしていて。そんな2人だから式なんていらないし、何より旦那は仕事、仕事に追われる日々。入籍した日は思いっきりワガママ言って、ウェディングドレス代わりのネグリジェ(3000円くらい笑)を買いに行って。帰り道、近所の駅前に奇跡のように安い、超可愛いホールケーキを見つけたんです。たぶん売れ残りで安くなってた、でも、とっても可愛いケーキ、リボンで巻かれたケーキ。えっねえどうしよう、これならギリギリ買える!。ほくほく顔で抱えて帰って、『タンタカターン』と歌いながら2人でケーキ入刀の真似をして。世界で一番幸せな2人でした。まったく、世間は地上げとかバブルとかで凄いことになってたのにねえ(笑)。
それから40年、結婚記念日を迎えるたびに時折『あのケーキ、もう一度食べたいね』。でも無頓着な2人は、そのケーキに名称があったことすらも知らない(笑)。名前も知らぬままに、時々思い立った時に探し続けて40年。目指すケーキは世の流行と共に街角のケーキ屋さんからは本当に消えていったらしく…。
そんな中、
『きゃーきゃー、ちょっと!コレ!、似てない?』
『うわーー、コレだよコレ!』。
40年ぶりの『洋梨のシャルロット』は、ホロリと甘くて、とってもとっても美味しかったです。(≧∇≦)