一級のエンターテイメントであり、人類と己について考えさせる書でもある。何とも言い表しがたい感情が沸き上がり、収拾をつけるのが難しい。単純に「面白い」と言うだけでは言い足りない。その気持ちの根元はどこにあるのか。そう考えるとなかなかに複雑だ。たくさんの怪獣やスーパー兵器が大盤振る舞いで登場するのを子どもっぽく楽しむ。加えて、奥底をじっと覗き込めば、滅亡に瀕する人類の姿を楽しむ気持ちもある。こんな気持ちは倒錯しているのだろうか。怪獣という絵空事だから許されるのか。楽しみながら、考えさせる。言い買い物だった。