三篇のお話が収録されています。うち、二篇は「母親の介護」がテーマです。我が家が置かれた立場とまるで同じなので、食い入るように読みました。介護する側の視線で物語は綴られていて、共感することしきりでした。心身疲労し、縁者親戚からは精神的に孤立し、お金も使い、仕事さえ失う。介護する側が介護されたくなるのが本音だ。我が妻を見ていてつくづく思う。篠田節子さん、ずばり介護の問題の核心をついています。親がまだ存命の方は読んでおいて損はないと思います。

長女というか娘たちの苦悩です。良くも悪くも母親という存在は重たいなぁと共感できました。母娘関係が良好な方には理解できない内容かもしれないです。

あっと言う間に読み終わりました。 やはり、篠田節子さんの本は安定して面白いですね。