水滸伝に始まり、楊令伝と読み継ぎ、最終シリーズ「岳飛伝」（全17巻）の第9巻です。 物語は12世紀（日本は平安時代の終わり頃）、宋が崩壊した直後が舞台。群雄割拠する時代に生きた武人たちの壮大な人間ドラマが展開される。 中華では、呼延凌（こえんりょう）率いる梁山泊軍と兀朮（ウジュ）率いる金軍が、海上では、張朔（ちょうさく）率いる梁山泊水軍と韓世忠（かんせいちゅう）率いる南宋水軍が本格的にぶつかり始める。南方では、大理（現在の中国・雲南省あたり）に侵攻した辛晃（しんこう）率いる南宋軍5万に対し、数千と兵の数で圧倒的に劣る岳飛と秦容率いる合同軍が防衛線を張り、山岳戦に挑もうとする。 岳飛や秦容らの闘志も凄いが、裏で活躍する梁山泊致死軍（特殊部隊）の侯真（こうしん）や漁師・米商人の王清（おうせい）の生き様も面白い。 －－－－－ ■本書の基本情報 ・筆者：北方謙三［キタカタ ケンゾウ］ ・略歴：1947年唐津生まれ。中央大学法学部卒業。'81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。'83年『眠りなき夜』で第4回吉川英治文学新人賞を、'85年『渇き街』で第38回日本推理作家協会賞長編部門を、'91年『破軍の星』で第4回柴田錬三郎賞を受賞。また、2004年『楊家将』で第38回吉川英治文学賞を、'06年『水滸伝』（全19巻）で第9回司馬遼太郎賞を、'07年『独り群せず』で第１回舟橋聖一文学賞を受賞。'10年に第13回日本ミステリー文学大賞を、'11年『楊令伝』で第65回毎日出版文化賞特別賞を受賞し、'13年に紫綬褒章を受章。'16年『岳飛伝』で第64回菊池寛賞を受賞。 ・発行：集英社 ・発売：2017年7月 ・ページ数：390p ■これまでに購読した北方謙三の著書 ・「三国志」（全14巻） ・「楊家将」（上、下） ・「血涙（新楊家将）」（上、下） ・「水滸伝」（全19巻） ・「楊令伝」（全15巻） ・「岳飛伝」（全17巻）…第8巻まで（本書）

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