この作者の本は初めて読んだ。
このところブ厚い本が続くが
これも470ページと
持ち運びにには向かない。
3月18日に読み始めて
本日、23日に読み終えた、
大河ドラマが終わったように
フーッと大きく息を吐く様な感じ。
でも、疲れたんじゃなくて
心地良く、清々しい。
「教育」というものに人生を捧げた
3代記、昭和30年代から
現代まで、ある一家の壮大なドラマだ、
やはりここまで長く描いたからこそ
見えてくるリアルがあると思う、
ただただ作者の力量に唸る。
学校と塾を太陽と月になぞらえ、
塾を運営してきた家族の
彼らの心は常に満月として
満たされることを望みながらも
三日月のまま、
でもその欠けた部分も埋めるべく
長く教育に携わり、努力を続ける、
その途方もない情熱に
所々で胸を突かれる。
ここまでの情熱
自分でも気がつかない
柔らかい信念。
あるといいな
自分にもあると良いな
そんなふうにも。
勉強はやる気がある人に
教えるのはそれ程難しくない、
それより最初からダメだとか
受け付けないような人を
やる気にさせるのが大変なことだ、
でもうまくいけば喜びは大きい、
分かっているけど
時々どこかで手を抜くことが無かったか
自分を振り返ったり。
結局勉強って
自分のすぐに身になる訳じゃなく
それは時にすごく分かりにくく
いつか役立つ事の方が多い、
いや、全く役に立たないことも多いかな、
でもその勉強への姿勢は
他でも必ず役に立つと信じている。
情熱か、
情熱ね
やはり教壇に立つ者には
教える能力はもちろん
情熱がないとだめなんだ。
そんなことをぼんやり考えた。
この作者の他の作品も少しづつ読もう。
★100点満点で90点★