東野圭吾作家デビュー30年、80作目という記念作品。物語の始めは、武尾と言う元警察官が依頼された奇妙な仕事から始まるが、決して武尾が主人公な訳では無い。ただ事件の流れを見つめていた存在に過ぎない。同じく事件を見つめているのが地球環境科学の青江教授。しかし実際の主人公は、竜巻に巻き込まれて母親を失った羽原円華。彼女は脳外科医である父の手術によって物理学の天才になった。彼女は、一見、事故死としか考えようがない温泉での中毒事故を追っていた。それは自分と同じ能力を持つ甘粕謙人の殺人を未然に防ぐ目的であった。この物語の終わりの形から見て、新しくシリーズ化されるかも。