シグマフォースシリーズの著者。アマゾン奥地のアメリカ領事館に、元陸軍特殊部隊隊員の遺体が運び込まれた。この男は腕を一本失っていたはずだが、遺体には両腕が揃っていた。さらに彼は、全身を様々な癌で冒されていた。かつてジャングルの調査で行方をくらました父を追って、民族植物学者のネイサンはジャングルの調査に向かう。時を同じくして、その遺体が運ばれたルート上で奇妙な病気が流行する。調査に参加している医学博士のケリーの娘もその病に侵され、その治療にはジャングルの奥に住むバン=アリ族を見つけ出さなければならない。プリオンや遺伝子の記録などを題材に、獣医学者である作者ならではのストーリー展開。とっぴなアイディアもあるが、よくできた面白い作品。