一作目が気に入ったので二作目もポチっとな。
またまた、殺人事件もそっちのけで、歴史の街道を遡ることになりますが、それはそれで重厚な織り糸が張り巡らされていて非常に味わい深く面白かったです。
登場人物が、イタリアンということで、情感深いところもよいですね。また主役が壮年以上という点もいい味を出しています。
特に、年若い天才演奏家から「あなたは(60年以上の)人生経験を積んでいるのだから助けて」と頼られて本当に一肌脱いだり、一方で、自身の窮地の場面では「若かったら足も動いたかもしれないが、60歳を超えた今はもう無理、助けて~」となったり、各所でほどよいスパイスになっています。
というわけで、本文には満足しましたが、あとがきが問題です。俗にあとがきは三種類あると言われています。「本文を読む前に読むあとがき」と「本文を読んだ後に読むべきあとがき」と「不要なあとがき」です。本作のあとがきは、三番目の典型例でした。あとがき文の大半が本文からのコピペ。唖然としました。あとがきとはいえ、ものを書く上でこれはやってはいけないことです。はっきり言って不愉快でした。出版社はこのようなあとがきをつけるべきではありません。三巻もあるそうですが、出版社のこのようなプロにあるまじき姿勢に読む気が失せました。本作で打ち止めとします。