指原本人がネタばらしをした通リ、本書は「インタビュー形式」の新書シリーズで、
指原自らが書き下ろしたものではない。そのため、軽いタッチに仕上がっており、
サクサク読める。
アイドルとしては「中の下」の指原が、さまざまな逆境に立たされながらも、ピンチ
を力に変えていく。 ガチンコ勝負をさけ、勝てる土俵を探し、アンチをも巻き込み
ながら強かに生き残る術は、興味深く、大いに参考になる。
やはり、この女はアイドルとしての勘が鋭い。ただ者ではない!
何をすればファンが喜び、アンチがざわめくか、何を言えばお偉い方々が喜び、
こちらを振り向くか、何をみせればメディアが飛びつき、話題になるか・・・・
すべては緻密な計算のもとに動いており、少しのズレを修正しながら、その関係性を
強化している。「指原流」生き残る極意である。
指原の頭のなかでは一つの点と点が線になり、線と線が面になり、やがて、立体と
なって浮かび上がるさまが、常に描かれているのだろう。 凡百のアイドルとは一線を
画し、常に斜め上を闊歩している。
自らがアイドルおたくであり、今も「ヲタ」であるように、ファンを増やし、アンチ
を煽り、「炎上路線」で盛り上げるさまは見事! 48グループのバトルロイヤルが
あれば「最後の一人」に生き残るのは、間違いなく指原莉乃だろう。
本書には「指原語録」の数々が収められているが、ただの「世渡り上手」では済まさ
れない奥深さがある。 大分から上京した少女が東京で様々な挫折を繰り返しながら、
大人の顔色をうかがい、ファンのツボを探り、アンチを煽り、徐々にのし上がって
いく。「ヘタレ少女」はいつしか強烈な個性を放ちながら、超選抜組みを抜き去り、
2013年第5回AKB選抜総選挙では人気No.1の大島優子の牙城を崩し、ついにAKBの
トップにまで上りつめる。 まさに、「AKB版シンデレラストーリー」の完成である。
自らがアイドルおたくであり、今も「ヲタ」であるように、ファンを増やし、アンチ
を煽り、「炎上路線」で盛り上げるさまは見事! 48グループのバトルロイヤルが
あれば「最後の一人」に生き残るのは、間違いなく指原莉乃だろう。
指原莉乃というアイドルは、夢と現実をリンクさせる「天才」かもしれない。