「空灰」でファンになり、レビューを見て購入に踏み切りました。
いや・・ホノトにこの作者は「ちょっと足りない」キャラを書かせたらうまいですね。
リアルでこんなのが居たら完全にアスペやら発達障害なんだけど・・・。
前半は日常系のやや物足りない印象だけども、
いやいやそれは前振り・・・、いつもの安部節に絡み取られてゆく感は予想通りだった。
表題の「ちーちゃん」と親友(?)二人を中心に話は進むが、
真の主役はその友人の片方。
彼女の目を通して描かれる「ちーちゃん」という存在のあり方が切ない。
ほのぼのの中に潜む日常のトゲ、少女の持つ闇にえもいわれぬ読後の虚脱感。
「空灰」に感じるものがあった人には迷う事無くおススメである。
考え抜かれた台詞まわしと大胆な心理描写はここでも健在なのだ。