書籍「夢幻花/東野圭吾著」黄色いアサガオをこの夏は探してみようか
厚めの本も読みやすいので
どんどんページをめくっていける、
でも心躍るようなワクワク感は無かったな、
主要人物3人が途中で交錯し
殺人事件に絡んで
人間模様が浮かび上がっていく。
そつないストーリー運びで
途中で投げ出すようなことはなかったけど
新鮮な驚きは少なく、
登場人物のほとんどは
語り尽くされたキャラそのもの
もっと人間は多様で複雑だ
ストーリーの展開上
あまり手を広げ過ぎて
破綻してしまうより読みやすいが
心のどこかにひっかかり
気になるような「何か」は無かったのが残念。
夏になると見かけるアサガオの花、
赤や紫の鮮やかな花を思いだすが
黄色い花は無いそうで、
それが江戸時代には普通にあったという事から
着想を得て連載した小説に
今回大幅に加筆、修正して出版したらしい、
その話の発端を知ると
作家という自由なイメージの発展を羨ましくも思う。
普通は何かしらの情報は
一方通行が多い、
「へぇ、そうなんだ」
そして自分の前を通り過ぎていく、
時々別の機会に同じ様なことを聞いて
そういえばそんな事を新聞で読んだなぁなど
思う事はあっても
そこからミステリー小説を書きあげるのだから。
この作品は多作な作家の
通常の一作という感じ、
力作って訳じゃないが
読書の時間は楽しめたので
それで充分。
海外ミステリーしか読まなかったが
いくつかの日本発のミステリーも
結構楽しんで読んでいる。
★100点満点で60点★