いま、消費者優位での市場が確立されている。
したがって製品の満足度のみならず、接客態度やアフターサービスはじめ、さまざまな角度からいかに顧客満足度を高めるかが、マーケットで企業がユーザに選ばれ、成長させていくために欠かせない要素となっている。また、この流れは今後さらに強まるものと思われる。
アメリカを中心に、グローバルかつ大きな企業ではこれを可視化するための指標「NPS」が多くの企業で導入されている。アップルでは各地域に存在するアップルストア1店舗1店舗毎にその数値を可視化しているくらいである。
「NPS」は単純に「そのサービスを推奨する人」が「サービスを推奨しない人」に比較してどの程度多いか、または少ないかを可視化させたもので、設計自体は非常にシンプルである。
ただし、まだ日本においては多くの会社がこの仕組を導入していないが、この先のマーケットで生き残るために、今あらためてNPSといった指標を活用して顧客満足度を高めることが重要である。
それはグローバルに事業展開をしていく企業においては尚の事必要だと思われる。
本書は先進的な導入企業での活用例等が記載されているため、入門書としても、また具体的にどのように現場に本指標を落とし込んでいけば良いかなども分かりやすく記載されている。
ただし、最終的には経営者層が愚直に「顧客満足」を経営の重要要素としてどれだけリードして推進していけるかも大きなポイントとなっているため、現場の社員であればなんとかして部門のリーダークラス、または経営層に読んでもらうようにすることで、顧客満足向上施策が飛躍的に推進していけるものと考える。