爆弾を抱えた特攻戦闘機だからゼロ戦なのでしょうが、実はパイロット養成のトンボと言われる練習機での特攻も相当数あった事や16歳・17歳の少年も特攻機で大空に散っていったという事実が証言からわかりました。特攻を企画した上級参謀が多数、終戦後も生き長らえ自己の都合の良い手記を出していることの不条理さを著者は指摘して、生き残った特攻隊員の証言からそのことの事実をあぶりだしている部分には共感を覚えました。爆弾の落下速度と爆弾を懐に抱いたまま向かっていく特攻機の速度では天と地ほどの違いがあるのは明白なのに特攻作戦を採用した当時の軍部は狂気の集団なのですが、なぜかしら昔も今も上は責任を取らないというのは日本人の特性なのかと読後に感じました。『(零戦・特攻編)』というタイトルは読後に違和感を覚えたので星4個にしました。