普通、僧侶や住職と聞けば俗人に説教するというイメージがありますので、近づきがたいところがあります。
その一方、中下さんは等身大というか読者と同じ目線にあわせて書かれていますし、
なんといってもご自身の失敗談を包み隠さず、気付きが語られているのでとても共感できます。
本書の中にある、人のためと思っていても本当は自分のためだったりする親切の押しつけがある。
それは、人のためと称して「人」と「為」を押しつけると偽になってしまうというお話がとても心に残りました。
現代人には、偲びながら悲しむ力が必要だと思います。
仕事に、家庭に、何より生きていて疲れた人に、たくさんの人に読んで頂きたい本です。