『孤高の人』を読了後に積読。そして植村直己『青春を山に賭けて』を読んで本書を読みたいと気持ちが昂った。登山を趣味とすることなく、なので日本アルプスには詳しくはないので、加藤の山行の凄さは実感できないが、単独行者としての凄みは感じられた。彼が山を征服するということに言及する文章に、その後の遭難を想いを馳せてしまう。現代に比べて装備の貧弱な時代に、冬山を次々に縦走していく加藤。しかし、彼の記録でも思いもよらないビバークや雪庇を踏み抜いて滑落という経験をしている。新妻や幼子を残して遭難死してしまった加藤の無念!