いよいよと言うべきか、お待ちかねと言うべきか、第2巻にして第1巻の表紙に描かれた、美咲エリちゃんが変身した魔法少女プリティ☆ベルが登場します。 でも第1巻を見た方で、どうせこういう作品だからどこかで落とし穴でもあるんじゃないかと思った方もいるかも知れません。 これを見ているあなたがもしそうだとしたら、 あなたは正しいです。 まず相手の攻撃に対する自動防御だけでも、派手に周囲を巻き込みつつ攻撃してきた相手を戦闘不能にしてしまう。 あまり強くないが使い勝手が良いのが利点──のはずのペガサスさえ上級魔族並の強さで召喚してしまう。 そんなペガサスよりも遥かに強いものも含め、他にも沢山召喚できてしまう。 そんなことができるほど魔力の量が桁外れだけれど、自然に回復できる魔力は通常の魔法少女並。 まあ早い話武器、兵器に例えて言えば、ミサイルばかり沢山あって銃器の類はなし、しかも補給の当てもないと言った所ですか。 そんな1人で天界と魔王軍の軍事バランスを崩しかねない存在が放置されるわけがなく、第1巻で登場した北の魔王を除く3人の魔王が集まって来る羽目になるわけですから、ミルココ曰く「核ミサイルと国家元首乗せた各国最強戦艦が揃い踏み」と言う表現は言い得て妙の激ヤバぶりです。しかしそこで厚志が魔王3人を相手に硬軟取り混ぜた交渉で主導権を握り、4つの魔王軍相手に相互不可侵と限定的ながら軍事同盟まで勝ち取る所は流石大人の存在感を見せてくれました。子供だけが主人公の魔法少女漫画ではこうは行きませんよね。 こうしてひとまずの平和が訪れたわけですが、天界、海魔族側でも大規模な行動に向けて動いているようですし、全く単純な正義や悪とかいった物差しでは測れない、複雑な味のハーモニーは今後どんな展開を見せますやら。

内容はwikipediaにゆずるとして、２巻以降を読むには最低限クトゥルフ神話と戦後史の知識が必須。 ネタ元のリリカルなのはやプリティーサミーのような内容を期待するとクソ本になってしまうので注意が必要。 その点を理解して読む分にはシナリオが練りこまれているので田丸ひろしと平野耕太ファンにはたまらないかと。

1巻の頃と比べると笑いは激減。これから戦闘シーンがメインになるんだろうなぁっていう予感はヒシヒシと。 戦闘シーンとかしっかりした世界設定は大好きなのだけれど、1巻の笑いが大好きだったので残念