この手の伝奇幻想小説は、物語世界に入り込むまでにちょっとしたコツというか、慣れが必要ですが、源平の戦い ~ 安徳帝の入水、執権・北条家に牛耳られた鎌倉幕府、若くして亡くなった源実朝などなど、有名な史実を軸に話が展開するので、すんなりと入っていけると思います。
そしていったん入ってしまえば、グングン惹き込まれて、あとはストーリーが怒涛のように流れて行くのにただただ身を任せるだけでOK。読書の至福を味わえます!
第一部の語り部は、源実朝の近習であった人物。第二部の語り部は、クビライ・カーンの巡遣使マルコ・ポーロ。
時空を超えた、壮大で美しい小説です。
この不思議で夢のような世界からなかなか戻って来れなくて、読み終わってもまだぼんやりしています(笑)。