もともとは司馬遼太郎の歴史小説に始まり、気がついたら歴史離れより歴史そのものの方がより好きになっていた。より深く、歴史と対峙するには、やはり史料を自在に扱えるようになりたい。近年では、かなり活字化され、近くの図書館で手にすることができるので、一級史料は遠いものではない。それでも、もはや、日常からは遠い過去の文章日本語は、歴史へ迫りたいという思いの前に立ちはだかっている。
本書は、一見とっつきにくい歴史の一級史料を平易な日本語と興味深いエピソードで綴ってくれ、敷居の高さを乗り越えようと思う手引きに最適である。尤も、実際に史料を読むには訓練が必要なのではあるが。