村上春樹さんの大ファンです。すべての著書を読んでいます。これはもう20年ほど以前にベストセラーになった、村上春樹の作風としては珍しいといっていいほどの純・恋愛小説だと思います。無論、単行本は初版のものを持っていますが、今回文庫を購入したのは子供が読みたいと言ったからで、持ち歩きやすい文庫が欲しいとのことからです。
映画化もされるということで再びブームが来るかもしれないですね。何度読んでも切なく胸に染みる小説です。
性描写があからさまだという意見もありますが、私は村上春樹の小説の中の性描写はリアリティがあるのにもかかわらずなぜか厭らしさを感じたことはありません。作者が真正面から性を捉え、真面目に書き込んでいるからだと思います。思春期の子供に読ませるのもそういうわけで全く抵抗感はありません。現在は様々なメディアを通していかがわしい性描写を目にします。そのようなものとは比較にするのも失礼です。若者が真剣に自身の人生、恋愛、性について向き合っている作品だと思います。