遠野は過去に3回訪ねた事があり、中でも、2011年9月には、僅か半日だけだったけれど、友人の友人である地元在住の方の案内付きで、荒神神社、卯子酉様、愛宕神社(卯子酉様の近くの物)、五百羅漢、続石、伝承園、カッパ淵等を訪ねた。
と云う経験をした上で本書を読んだのだが、科学だの教育だのと云ったものと無縁だった古の人々の、健気であったり、敬虔であったり、素朴であったり、ちょっと残酷だったり、少々狡かったりする、要するに人間の温もりが感じられる話が満載であり、楽しめたし、考えさせられた。
文章が難しかったと云うコメントを数人の方達が書いているが、成る程、小中学生には読み難いだろうけれど、高校生以上なら読める程度のもの。
2011年は、地震と津波と原発事故で東北地方が注目を集めた年だったが、ジパングの名が生まれた発端となった気仙地区と平泉を繋ぐ交通の要衝であった遠野に、古くから人の営みがあった事を知るのも良いのではないだろうか?