新世界よりを読んで貴志祐介さんのファンになりました。
この作品の評価が高かったので購入したのですがおもしろかったです。
少年犯罪を扱った倒叙推理小説です。
倒叙推理小説特有の心理描写で主人公の少年心理を描き、
恋人に対する恋愛感情などは青春そのもので、
主人公に対する読者の感情移入を助長させます。
「かわいそう」という同情の感情を覚える人が多いと思います。
ただ、貴志さん小説特有で面白いのが読み終わってから冷静に振り返ると、
めちゃくちゃひどいやつではないかと思えてくる2面性をうまく描いてる所です。
今回の主人公も家族に対する思いなどは同情するのですが、
友人や恋人に対する考えや態度はよく考えるととても高圧的で自己中心的です。
2面性の描写から2回目を読んでもおもしろいです。おすすめです。
どうでもいいことですがあとがきにある、
ママチャリで出版社の担当者と爆走したエピソードはおもわず吹いてしまいました。