まず、「はじめに」の言葉がよい。当時の160年前のケンペルが記した『美徳の実践、汚れなき生活、信仰の儀礼において、日本人はキリスト教徒をはるかに凌いでいる。』を引用し『日本がキリスト教に改宗するなら、道徳やそのほかの面で得るものは何もないが、失うものは多いといわねばならない。(略)』と書いている。
それから、約120年経った今の日本の変わり様はどうだろうか。「キリスト教」という文字を「海外の文化」に変えてみると、いかに染まって、失うものは多いという言葉にも通じるように感じる。
日本人のよさをあらためて考えるためにも、読んでみたい本である。