このウイスキーの特色として「甘さ」を第一に挙げるひともいるが、甘さならハイランド・パークの方が上で、このウイスキーの特色は「複雑さ」という点だと思う。どこといって突出した特色はないが、飽きさせることがなく、後を引いてだらだらと飲み続けてしまう。きっと総合的にバランスがとれているのだと思う。考えてみれば素晴らしい特色で、このウイスキーを定番にしているひとは右顧左眄することなく安心して飲み続けられる訳で、このウイスキーにたどり着いた人は幸せな人といって良いと思う。
熱狂させるタイプの酒ではないが、落ち着きのある酒、飽きの来ない酒である。こういう酒も偉大な酒のひとつであると思う。私個人の感想ではもう少しいろいろなウイスキーを試したいということで、星4つ半、四捨五入で5つになった次第。だいぶ前にこのウイスキーは飲んだことがあったが、その時の印象はすっかり忘れていて初対面も同然であった。
キャップ部分の金属カバーが雑で、日本製のキャップカバーに慣れた日本人としては許せない。サントリーが代理店なのだから、アドバイスをしてあげればよいのにと思う。
そもそもサントリーはなぜこの酒の代理店になったのか、理由が分からない。現地で競合するメーカーの多くの代理店となって、どの銘柄を日本に紹介したいのか、ポリシーがないとしか言いようがない。全てを傘下に置いて国内流通をコントロールするのが目的と思われても仕方がない節操のなさである。本当に良いと思った物を紹介するのが代理店の使命ではないのか。不信感を抱かざるを得ない。
今の日本で輸入ウイスキーの普及に一番貢献しているのは、ネット販売店などだと思う。並行輸入で少しでも安く仕入れて、消費者に安い値段で届けて欲しい。