色は澄んだ薄めの朱色。
香りはアンズ、チェリー、カカオ、黒糖、インク、カラメル、ローズヒップ?
味は薄い苦味と薄い酸味。余韻に甘味を伴う薄い酸味と薄い苦味。
見た目通りの薄味系。ベリーA並みの色合いの薄さ。
だが甘い香りが薄味の底を支え、薄いだけではない クリアーな味わいを作れている。
余韻の酸と苦味が、薄いながらにも しっかりと主張し、全体に良好な口当たりとバランスを構築。
味は薄くとも存在感が有り、余韻の苦味の出方が綺麗。
樽が見事にキマッたのか、香りの黒糖やカラメルのニュアンスが甘味を引き立たせ、不思議な勢いが。
矛盾するようだが 薄いのに薄くない、薄いだけで終わらない、薄さの中にも厚みを感じられる。
薄味系ピノに心得が無いと、単にスッキリした赤ワインとしか感じないかも。
それはそれで美味いと思うだろうが、香りの質や余韻の出方も味の美味さに相当貢献してるので、この辺は有る程度飲み手の経験が必要になると思う。
抜栓100分程で、酸にしつこさが出始めてきた感じ。
香りも出力が衰え始め、当初の繊細さを維持しきれなくなってくる。
それでも100分持ったのなら充分だと思うが、こうなると明確に弱体化。
意外と余韻は生き残り、しつこいなりに当初の美味さを保とうとはしてくれる。
総合的には、綺麗で美味しい薄味系ピノノワール。
言われなきゃ、まず日本のピノノワールとは分からない。
大人しい味で万人向けだが、薄味好きなら かなり好感を持てる味だと思う。
同価格の凡百のブルピノよりも明確に美味さと高級感が有った。
時間経過後はやや格を落としたが、でも国産ピノノワールがフランスと遜色無い実力を示せたのを思えば御愛嬌の範囲。
値段相応。★5つ。